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山本裕子(ひろこ)
プロフィール |
(株)ZENプロジェクト・代表取締役
1952年名古屋市中区生まれ。
1才の時に上京。
1974年和洋女子大学卒業。
栄養士取得。
卒業後、父親が経営する(株)善
本社に勤め、営業、販売、編集、
デザイン等の部署を担当。
1988年より(株)善本社・事業部
を立ち上げ商業印刷物、ホーム
ページ製作等を手掛ける。
2009年4月、(株)善本社・事業部を 「ZENプロジェクト」と社名を変更し、今日に至る。
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小学校の時の話です。
私の家は、東京の四谷ですが、その頃は、まだ空き地が多く、遊ぶところがたくさんありました。
当時はまだ、家の脇の下水管のみぞに、ふたがされてないため、どぶネズミがよく出て、どこの家でも、金網で作られた箱型のネズミ捕りをどぶの中に置き、ネズミ退治をしていました。
カゴの中に仕掛けたえさに釣られ、ネズミが掛かると、カゴごと水に浸けて窒息させるのが普通でした。
学校から帰ると、近所に住む友達が誰ともなく4−5人位は集まり、遊びが始まるのですが、私は友達の中では、ガキ大将でしたから、私が決めた遊びがその日の遊びになるのでした。 |
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その日は、ネズミ捕りに掛かったネズミを見つけたため、しょっちゅう庭先に来るのらネコにネズミをつかまえさせようと考えました。
普通、ネコはチョロチョロと走るネズミを仕留めて、口にくわえて、飼い主に見せますが、そのネコは、ネズミを捕ろうとしなかったからです。
荷造り用のヒモを友達に持って来させ、ヒモの先を、投げ縄のように結び、カゴの中のネズミを箸の先で押さえました。
輪っかにしたヒモをネズミの首に結ぼうとしたところ、ネズミがもがいたため、ヒモが前足にかかり、偶然にも、肩からタスキがけになり、外れないような結び方になりました。
今度は、ネコにネズミを気付かせないよう、皿に入れたミルクをネコに飲ませ、ネコの首にヒモをしばりました。
そして、カゴのふたを開けたのです。 |
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ネズミは慌ててカゴから逃げ出したので、ミルクを飲んでいたネコは、首のヒモが引っ張られ、その方向を見たのです。
そしてネズミが居ると分かると、ミルクの皿を蹴飛ばし、突然ネズミと逆方向に逃げ出したのです。
そのため、ネズミは後ろ向きのまま、前足は空をかきながら、ネコが走る方向に引きずられて行きます。
ネコはグルグルと庭先を逃げ回るのですが、何度振り返っても、ネズミが離れないので、ネズミに追い掛けられていると勘違いし、凄いスピードで、走り回ります。
ネズミは、後ろ向きのままネコの後を飛ぶように弧を描き引きづられています。
庭先を4−5回猛スピードで駆け巡ったネコは、離れないネズミに恐れをなし、ネズミを引きずったまま何処かへ逃げて行きました。
この年になり、時々、考えます。
あのネコと、ネズミは今どうしているのかと。 |
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文章・イラスト・写真等は、著作権があり複製・引用出来ません。
文・料理………… レスト ヨーメ
イラスト・写真…… 山本 裕子 (やまもと ひろこ) |
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レスト ヨーメ プロフィール |
国籍 日本
(株)ZENプロジェクトmember
詳細不詳 |
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